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会長挨拶

 森 秀樹  Hideki MORI
(名古屋工業大学 産学官金連携機構 プロジェクト教授)

 分離技術会の記念すべき創立50周年に向けて、平成30・31年度会長を拝命して以来、現在・将来と会員・社会からの要請に応えることができるよう運営体制の整備に取り組んできましたが、道半ばということでもう一期、令和4・5年度の会長を務めさせていただくことになりました。

 この間、新型コロナ感染症拡大防止への対応のために、否応なく学会のICT化を進めることになり、委員の皆さんの協力のもと会議、講習会、総会、年会をオンライン形式で開催することができるようになりました。オンライン形式での開催は参加者の移動時間不要、時間的制約がなく遠方からの参加・聴講が可能という大きなメリットがあり、全国から多くの方に参加いただくことができました。一方、互いに相手の顔を見ながらの突っ込んだ議論・意見交換ができないというデメリットもあり、対面での実施を望む声もたくさんあります。世の中では徐々に行動制限が緩和されていますが先行が不透明なため今年度も講習会・年会はオンライン形式でそのメリットを最大限活かしながら開催することとし、併せてWeb等による情報発信の充実を図ることにいたしました。来年度に向けて、中止となっていた「見学会」、参加者に密度の濃い交流の場を提供する「夏季研究討論会」、韓国の技術者・研究者との交流を兼ねた「分離技術国際会議」を対面で開催できることを祈りながら準備を進めてまいります。

 今、長期にわたる経済・研究の停滞、国際競争力の低迷により科学技術立国の行方が心配される中、第4次産業革命といわれる情報化・AIの急激な進歩による産業構造の変化への対応も喫緊の課題となっています。技術者、研究者には幅広い知識に裏付けられた「基礎力」とそれを使いこなす「応用力」、新しいものを生み出す「考える力」、そして何よりも新しいことを「学ぶ心」が求められます。分離技術会は500人規模の正会員・法人会員・学生会員を維持しながら、蒸留、相平衡、晶析、吸着、吸収、抽出、膜分離、流体固体分離、シミュレーション、バイオ分離、プロセスと、幅広い分離技術と周辺分野に関係する会員によって成り立っています。ここでもう一度、研究会活動の原点に立ち戻り、会員自らが互いに問題提起し、共通の課題を議論しながら答えにたどりつくことによって「考える力」を鍛え、学ぶ楽しさに気付くことができる場を作りたいと思います。

 社会の喫緊の課題は持続可能社会の実現であり,その達成に必要とされる知識・情報は学際化しており、従来からの分離技術に拘らず、新しい学術分野に踏み込んで吸収することが求められます。会員の皆様の積極的な参加と主体的な活動により、皆様と一緒に新しい分離技術会を作ることができるよう、より一層のご支援・ご協力を心からお願い申し上げます。

 
令和4年6月9日